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ペリペリ開発秘話

【一番くじ ジョジョの奇妙な冒険 DIAMOND IS UNBREAKABLE】杜王町の住人たちの「ドタバタ感」を再現!フィギュア制作の裏側【フィギュア編】

荒木飛呂彦氏による漫画作品として世に生まれ、原作第1部から第6部にあたる『ファントムブラッド』から『ストーンオーシャン』までがアニメ放映されているアニメ『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズ(以下、『ジョジョ』)。2024年6月29日から、アニメ『ダイヤモンドは砕けない』を題材にした『一番くじ ジョジョの奇妙な冒険 DIAMOND IS UNBREAKABLE』を発売します。
 
今回は、一番くじの企画・開発を担当するシャチさんにインタビュー。制作の裏側や、フィギュアに込めたこだわりを伺いました。各種雑貨賞については別記事【後編】でお話を伺っているので、併せてそちらもご覧ください!
 

プロフィール

2013年入社。ベンダー事業部で企画開発などを担当したのち、ロト・イノベーション事業部に異動。2022年より一番くじに携わるようになった。『ジョジョ』の商品では、2023年8月に発売した『一番くじ ジョジョの奇妙な冒険 EVIL PARTY』から企画担当。

 

作品内で登場したアイテムを具現化し、グッズを通して作品の世界観を楽しんでもらいたい

 
――シャチさんが過去に担当されてきた『ジョジョ』の一番くじのラインアップで、特に印象的だったものはなんでしょうか。

 
シャチ:直近のものだと、2023年12月に発売した『一番くじ ジョジョの奇妙な冒険 PHANTOM BLOOD&BATTLE TENDENCY』に収録した『石仮面 MASTERELIVE COLLECTION』や、2024年3月に発売した『一番くじ ジョジョの奇妙な冒険 STARDUST CRUSADERS』に収録した『魂のポーカーチップ MASTERELIVE COLLECTION』や『F-MEGA MASTERELIVE COLLECTION』ですかね。
 


『一番くじ ジョジョの奇妙な冒険 PHANTOM BLOOD&BATTLE TENDENCY』石仮面 MASTERELIVE COLLECTION
『一番くじ ジョジョの奇妙な冒険 STARDUST CRUSADERS』魂のポーカーチップ MASTERELIVE COLLECTION、F-MEGA MASTERELIVE COLLECTION
 
シャチ:いつも皆さまが書いてくださっているアンケートには全て目を通すようにしているのですが(皆さま、いつもアツいご意見や応援メッセージをありがとうございます!)、これはファンの皆さまからも、アンケートやSNSですごく好評をいただけたように思います。なかには「劇中のシーンを再現するために、ポーカーチップを集めるべくめちゃめちゃハシゴしました!」みたいに言ってくださった方もいて、盛り上がっていただけてとても嬉しかったです。
 
――このあたりは本当に、いちファンとしても絶妙なチョイスだなと思います。
 
シャチ:劇中に出てきたものをそのままグッズとして出したいという想いがあって、ある種の「没入感」みたいなものは意識しているポイントです。
 
3月発売のくじでは『オリジナルトランプ』も入れていたので、ポーカーチップとトランプ、両方手に入れてくれた方は一緒に遊んでもらえたらいいなと思っていましたし、作品の世界をそのまま楽しめる要素を入れることは、毎回のくじで意識しています。
 
――シャチさんはベンダー事業部でも『ジョジョ』の企画担当をしていたそうですが、過去の経験が現在のお仕事につながっていると感じる部分はありますか?
 
シャチ:ベンダー事業部では「ジョジョコレ」というデフォルメマスコットシリーズ作っていたのですが、カプセルトイは低単価且つ、価格を変えづらい商材なので、制作にかかるコスト面の削減など、生産サイドとのコスト調整には非常に苦労しました。そういう面では、コスト面をアイデアでカバーし、よりお客さまが手に取って喜んでもらえる商品を可能な限り詰め込んでいく姿勢は、一番くじの企画でも役立っているかもしれないですね
 
今後は一番くじでも小さなサイズのマスコットなどを収録していけたらと考えているので、そこでより一層ベンダー事業部時代の経験を活かせればいいなと思っています。
 

『ダイヤモンドは砕けない』の世界観を表現するためのカギは、物語やキャラクターの「日常感」

 
――今回の『一番くじ ジョジョの奇妙な冒険 DIAMOND IS UNBREAKABLE』では『ダイヤモンドは砕けない』、を取り扱っていますが、こちらの作品の魅力はどんなところにあると思いますか?
 
シャチ:小さなころから原作が好きで読んでいて、なかでも個人的に一番好きなのが『ダイヤモンドは砕けない』なんです。それだけ企画担当としても愛を込めて考えさせていただきました。
 
『ファントムブラッド』から『スターダストクルセイダース』までは、敵を野放しにしていたら世界が滅亡してしまうような規模感の話だと思うんですよ。でも『ダイヤモンドは砕けない』は1つの町の中で起きるすごく身近な話で、『ジョジョ』の中では珍しくドタバタした日常も描かれています。そこがすごく異質で、ならではの魅力だなとは思っています。
 
――確かに、主人公の仗助を見てもそれまでの主人公たちとは少しベクトルが違う印象を受けます。
 
シャチ:例えば承太郎って、強くてカッコよくてクールで、みんなの憧れの対象になるキャラクターだと思うんです。もちろん、仗助もめちゃくちゃカッコいいのですが、彼はどちらかというと自分の友達にいそうな、身近さを感じるキャラクターなんですよね。
そのため今回の一番くじでも、舞台となる杜王町の住人たちや物語に出てくるシーンをより身近に感じられるような構成にしたいなと思って企画を立てています。
 
――今回の企画はどういった経緯でスタートしたのでしょうか。
 
シャチ:昨年8月はアニメ10周年というタイミングでもあったので、各部のボスが登場するくじを出していたんです。
 


 
シャチ:お祭り的なくじだったので、つぎは改めて『ファントムブラッド』から作品を振り返っていくようにくじを展開しよう、ということで、昨年12月に『ファントムブラッド』と『戦闘潮流』から順番にくじを出して、今回は待望の『ダイヤモンドは砕けない』という流れになっています。
 

2人らしいドタバタシーンを再現!動きにこだわった東方仗助と虹村億泰フィギュア

 
――ここからは各賞のこだわりを伺っていきたいと思います。まずA賞の『東方仗助 MASTERLISE』についていかがでしょうか。
 
シャチ:A賞はぜひB賞の『虹村億泰 MASTERLISE』とセットで手に入れてほしいなと思っていて、2人の表情と動きにはすごくこだわっています。これはファンの皆さまにはおなじみかと思いますが、仗助と億泰が重ちーを追いかけているシーンを再現しました。

 
シャチ:躍動感や表情をかなり表現できたかなと思います。カッコいい決めポーズの仗助のフィギュアはこれまでにも出ていると思うんですが、このドタバタ感のある仗助がフィギュア化されるのはもしかしたら初めてなんじゃないかなと思います。どの角度から見ても躍動感があるので、ぜひGETしていただき、立体感を楽しんでいただきたいです。
 
――B賞の『虹村億泰 MASTERLISE』についてはいかがでしょうか。
 
シャチ:億泰は、ほかのキャラクターたちと違って、瞳が小さいんですよね。再現するにあたって、表情や瞳のサイズをかなり細かく調整しなくちゃかな……と思っていたんですが、原型師さんや彩色屋さんも含め、『ジョジョ』愛に溢れたメンバーで開発をしていることもあり、実は億泰は一発で「これだ!」というものが仕上がりました!
 
仗助と億泰もそうですが、一番調整に苦労したのは重心ですね。億泰は仗助とはまた違う走り方をしているので、その雰囲気が出せるように、後ろ側に重心を置くように調整しました。こちらもぜひいろんな角度から見て楽しんでいただきたいです。
  
――B賞に限らずですが、服のシワなどの質感もかなり作り込まれている印象を受けます。
 
シャチ:ここも難しい部分ではあるのですが、『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズの一番くじの原型師である夏坂さんは、洋服や靴裏にまで非常にこだわって作り込みをしてくださる方なんですよ。 私が担当する以前のお話なんですが、靴の裏側まで作り込んで原型監修(※)にお持ちした際、アニメ製作陣の皆さまから「気合入ってるね~!」というありがたいお言葉をいただけたようで、それ以来より一層力を入れて作ってくださっていると伺っています。本当に、シワ感やなびいている感じもすごく上手に表現してくれる原型師さんです。

※原型監修:フィギュアの原型を版権元が確認すること
 

ペリペリ団の皆さまからの質問にもお答え!①

Q:フィギュアにすることでわからなかった裏側の形や、見えない部分は荒木飛呂彦先生に聞いたりするのか、「本当はこうだけど、フィギュアならこうしたほうがい」、みたいに言われることはあるんですか⁉
A:キャラクターの再現は基本的にはアニメの設定に合わせて造形&彩色を行っています。作り込んだフィギュアをアニメ製作スタッフの皆さまはもちろん、荒木先生にもお目通しをいただき、調整を重ねています。ありがたいことに、先生からご意見をいただくことも多くあり、もちろん色だけでなく表情や服の雰囲気などについてアドバイスいただくこともあります。裾をもうちょっと広く、みたいなところまで含めて、本当に細部までこだわってくださるんです。

  

過去のフィギュアとの並びを意識した雰囲気、そして承太郎が持つ手帳の中身は……?

 
――C賞の『広瀬康一 MASTERLISE』 は、A賞やB賞のドタバタ感とは違って、キリッとした印象ですね。
 
シャチ:そうですね。康一くんについては、D賞でフィギュアになっている承太郎との絡みも多かったので、そのふたりのカッコいい並びを見たいなと思い、キリッとした表情と立ち姿にしています。
 
康一くんはカッコいいシーンもあれば、ちょっと頼りない表情や、コミカルなシーンなど、いろいろな表情を持っているキャラクターだと思います。今回は覚悟を決めたカッコいい康一くんをチョイスしました。機会があればぜひ、別の表情をした康一くんも作りたいなと思っています。
 


 
――今お話にも出たD賞の『空条承太郎 MASTERLISE』については、どんなところがポイントになっていますか?
 
シャチ:ポイントは『スターダストクルセイダース』の時の承太郎との違いですね。今回は『ダイヤモンドは砕けない』時のファッションをしっかり作り込んでいます。少しぶかっとした服装をしているんですけど、原型師さんのこだわりもあって、高校生から大人になった肉体の変化も表現しています。
 

 
シャチ:また、手に持っている手帳の内側にはヒトデなど海洋生物のメモが描かれています。承太郎が杜王町に滞在している間に書いたヒトデに関する論文で博士号を取った、という設定からイメージして入れてみました。
 
――手帳の中身にまでこだわられているというのはすごいですね。ちなみに承太郎の立体化といえば、特徴的な帽子と髪の部分でも苦労されたのではないでしょうか。
 
シャチ:そうですね(笑)。『ダイヤモンドは砕けない』の承太郎は衣装が白いので、グラデーション具合は調整しました。『スターダストクルセイダース』のころは学ランだったので帽子が黒く、髪から帽子につながる部分もそれほど目立たないんですが、『ダイヤモンドは砕けない』だと帽子が白いので、しっかり彩色加減を調整しております。
 
――承太郎は『スターダストクルセイダース』と『ダイヤモンドは砕けない』とでまた雰囲気が変わっているかと思うのですが、フィギュア制作においてもそのあたりは意識されましたか?
 
シャチ:細かい表情を少し変えています。『スターダストクルセイダース』のころはもうちょっとピリッとしているというか、オラオラしている気持ちで作りましたが、今回は高校生ではなく大人になっているので、佇まいもスッと、落ち着いた表情の承太郎にしています。
 

コンマ数ミリ単位でこだわった瞳の表現、戦いの場とは異なる雰囲気の吉良

 
――E賞の『岸辺露伴 MASTERLISE』については、ポイントとなるのはどのような部分でしょうか。__
 
シャチ:露伴先生は単体で飾ってもとにかく映えるフィギュアにしたいと考えていました。ポージングなどについても、ほかのキャラと並べたときのバランスを優先するというよりは、単体で動きが出るようにしています。
 
これはほかのキャラクターもそうですが、顔を作品に似せるために目の調整を最後まで細かく行っていて、特に瞳はコンマ何ミリ単位で調整しています。

 

ペリペリ団の皆さまからの質問にもお答え!②

Q:承太郎や露伴先生は劇中でも複数衣装がありますが、今回のくじでこちらの衣装を選んだのには、なにかこだわりがあるのでしょうか?
A:今回だと、各シリーズを振り返っていく企画シリーズとして『ダイヤモンドは砕けない』一発目のくじになるので、衣装はスタンダードなアニメの公式設定となっているものを選んでいます。

 
――ラストワン賞の『吉良吉影 MASTERLISE』については、どのあたりが注目のポイントでしょうか。
 
シャチ:吉良については、私が初めて企画を担当した『一番くじ ジョジョの奇妙な冒険 EVIL PARTY』でもフィギュアが出ていたので、最初はそこをベースにして作り込みを行っていたんです。
 
ただ、今回は皆さまおなじみのあのシーン、昼休み中の吉良を切り取ったフィギュアなので、監修にてもう少し穏やかな表情にしたいというご意見をいただき、このような表情になっています。これまでのフィギュアはキリっとした表情が多かったと思うので、少し違う雰囲気が出せたかなと思います。
 



  
――仗助や億泰ともまたテンション感が違いますが、戦いの場ではない場面を描いているのも『ダイヤモンドは砕けない』らしいですね。
 
シャチ:そうですね。これまで『ジョジョ』ではあまりやっていない日常を切り取ったポージングなので、そこはぜひ注目してほしいです。あとは、手に持ったカツサンドや紙袋、ネクタイの柄や靴のステッチまで細かく表現しているので、ぜひ手に取って細部まで見ていただければと思います。
 

ペリペリ団の皆さまからの質問にもお答え!③

Q:今回フィギュア化させるのが一番大変だったキャラと、そのキャラのどんなところが大変だったかを聞いてみたいです!!
A:今回は間違いなくA賞とB賞が大変でした! ただ、「この仗助と億泰をフィギュア化したい!」という想いから商品企画がはじまりました。これまで『ジョジョ』のフィギュアといえば「ビシィッ!」とカッコいいポージングが多い印象ですが、やっぱり『ダイヤモンドは砕けない』はかっこよさのなかにもドタバタコメディ感があるのが1つの魅力だと思うので、そこを再現したフィギュアをどうしても作りたかったんです!再現シーンの“らしさ”を出しつつ、かなりこだわって作ったので、自画自賛で恐縮ですが皆さまにもご満足いただけるいい出来になっていると思います!

 

そんなモノまで雑貨になるの!?「雑貨賞編」のインタビューも公開中!

 
今回、『一番くじ ジョジョの奇妙な冒険 DIAMOND IS UNBREAKABLE』のフィギュアを中心に話を聞きました。本記事の続編として、『杜王町 ランチバッグコレクション』や『トニオ・トラサルディー ディッシュプレート』などの雑貨賞についてのインタビュー記事も公開しています。『ダイヤモンドは砕けない』の「日常感」へのこだわりがここでも現れているので、ぜひご一読ください​。
 

関連リンク

『一番くじ ジョジョの奇妙な冒険 DIAMOND IS UNBREAKABLE』商品ページ