【ウルトラマンシリーズ 怪獣超大全】原型師・大山竜がつくるゴモラフィギュアとは?新ブランド“塊獣極致”で魅せるウルトラ怪獣の新境地
歴代の『ウルトラマン』シリーズを彩る存在として欠かせないウルトラ怪獣たち。そのウルトラ怪獣たちにフォーカスを当てたくじとして、2025年3月に『一番くじ ウルトラマンシリーズ 怪獣超大全』が発売されます。今回はA賞とラストワン賞で手に入るゴモラのフィギュアを製作された原型師・大山竜さんと企画担当者にインタビューを行い、フィギュアをはじめとしたグッズに込めたこだわりを伺いました。
プロフィール
大山 竜
1990年代後期から原型師としての活動をはじめ、フィギュアの原型などでクリーチャー造形を手がけるほか、ゲームやアニメのクリーチャーデザインなども行う。過去には芸術美に焦点を当てたフィギュアシリーズの“S.I.C.シリーズ”にて『S.I.C.仮面ライダークウガ マイティフォーム』を作成している。
チャンプ
2017年に入社。ロト・イノベーション事業部で一番くじの営業担当を経験し、その後企画担当に。2023年5月に発売した『一番くじ ウルトラマンティガ・ダイナ・ガイア -光を宿すものたちへ-』以降の『ウルトラマン』の一番くじ企画を担当している。自身の幼いころから、リアルタイムでウルトラマンシリーズを視聴いる「TDG世代」の一人。一番好きなウルトラマンは「ウルトラマンティガ」
夢を形にする、原型師の仕事
――原型師の大山さんにお越しいただいたということで、まずは原型製作のお仕事がどのような流れで進むのかをお伺いできればと思います。
大山:イラストや作品を立体化したいという依頼であれば、サイズや素材を聞いて相談しながら作ることもあれば、デザインやポージングもこちらにお任せ、というパターンもあります。そこからイラストを描いたり、簡単な立体物を用意したりして進めていく、という流れですね。
――ケースによると思いますが、本格的な製作が始まってから完成するまではどれくらいかかるのでしょうか。
大山:納期によりますが、作るものの情報量が多いとやっぱり時間がかかりますね。複数の案件が並行して動いているので、ひとつの造形にどれだけかかったか正確にはわからないのですが、今回のゴモラで言えば、作業時間を総合すると2カ月くらいはかかっていると思います。
今回、原型をデジタルで作ったのですが、僕はこれまでずっと粘土で作ってきたので、デジタルでの作りかたがまだ全然わかっていないんですよ。なので、デジタルでの製作に慣れているほかの原型師の方に比べると、時間がかかったほうだと思います。
――スピード以外の面で、デジタルとアナログの作業ではどんな部分が違ってきますか?
大山:例えば、デジタルの場合は顔の右側を作れば、まったく同じ感じで左側も作れるんですよ。人間の目と手できれいな左右対称を作るのは、ものすごく時間がかかるんです。機械を使う場合は歪んでいるかどうかの確認をしなくていいので、精神的にも作業的にも助かりますね。
――原型の製作を行うなかで、特に楽しいと感じるのはどんな部分でしょうか。
大山:どこをどうアレンジするかを考えるのが自分の仕事だと思っているので、どういう風にアレンジしようか、どんなポーズにしようか、っていうのを考えているときがすごくおもしろいですね。子どものころから、実際とは違うけどこういう風に見える、っていうものを作るのが好きだったんですよ。
――アレンジを考えるのが子どものころからお好きなんですね。そのきっかけはなんですか?
大山:僕が子どものときに作られていた怪獣のフィギュアは、みんな劇中の姿そっくりに作られていたんです。当時の僕は「この怪獣はお話の中では負けちゃったけど、実は死んでないんだ」とか「あの怪獣がもう一回復活したら」みたいな妄想をしていたんですけど、そういうフィギュアはなかったんですよ。だから、ないなら自分で作ってしまおう、とアレンジしたフィギュアを作りはじめたんです。
原型師の魅力と解釈を前面に押し出す新ブランド“塊獣極致”
――今回の“ウルトラマンシリーズ 怪獣超大全”という新たなシリーズが始まった経緯を教えてください。
チャンプ:これまではウルトラマンだけにフォーカスした商品展開をしていたのですが、根強い人気のある「ウルトラ怪獣」だけで商品を作りたいという想いから企画を立ち上げました。
――新ブランドの塊獣極致について教えてください。
チャンプ:塊獣極致は、劇中のイメージを踏襲しつつ新たな解釈を加味した、唯一無二のフィギュアを目指しました。
戦国時代の兜や甲冑をイメージし、南部鉄器のような重厚感でアレンジされたゴモラ
――今回のアレンジの方向性について教えてください。
大山:今回であれば、ゴモラという怪獣にどんなイメージがあるのか、どういう位置づけにいる存在なのか、といったところから考えました。現代風にアレンジするなら生物っぽくリアルにするだけでは面白くないなと思ったので、元々の設定を自分のなかで広げていって、今回はちょっと和風な感じを意識しています。
――A賞『ゴモラ 塊獣極致』はどういった点にこだわっているのでしょうか。
大山:頭の角が戦国時代の黒田長政の大水牛脇立兜をモチーフにしているというお話を聞いたのと、劇中では大阪城の前で戦うシーンもあるので、戦国時代の兜や甲冑のイメージで製作しました。
戦国時代の兜や甲冑をイメージにアレンジされたA賞『ゴモラ 塊獣極致』
――大阪城の前での戦いはゴモラの代表的なシーンですし、納得感のあるアレンジですね。
大山:角以外の部分で言えば、頭から背中にあるディテールは、日本刀の柄に用いられるエイの革を参考にしていますし、ポージングも敢えて腕を下げたノーガードの構えにして、死を覚悟している武士の心構えを表現したい、と考えました。
――ラストワン賞の“塊獣極致・匠道”というブランドについても教えていただけますか?
チャンプ:こちらは塊獣極致の派生したブランドです。塊獣極致は、劇中に近いカラーリングをしているのに対し、塊獣極致・匠道は、彩色においても原型師さんに新たな解釈を加えていただいております。
――ラストワン賞『ゴモラ 塊獣極致・匠道』はA賞『ゴモラ 塊獣極致』のカラーリングを変えたものとなっていますが、こちらは体表が黒くなり、A賞とはまた違った雰囲気を感じますね。
大山:ゴモラには“古代怪獣”という名称があるじゃないですか。その古代というイメージと、先ほども触れた戦国武将や大阪城にある和のイメージから、古びた南部鉄器のような色や質感をイメージしています。
手足の爪も鉄っぽい質感にして、鼻の角についても、兜の額に付いている飾りのイメージで金色にしています。劇中の姿からより古代と和のイメージに寄せた姿ですね。
古びた南部鉄器のような重厚感があるラストワン賞『ゴモラ 塊獣極致・匠道』
あの名シーンを切り取った!メトロン星人のジオラマ付きフィギュア
――B賞『メトロン星人 Revible Moment』は、メトロン星人と言えば、の名シーンを切り取ったものになっていますね。
チャンプ:『Revible Momen』は劇中のシーンを切り取って再現するシリーズなのですが、やはりメトロン星人と言えばこのシーンだろう、ということで今回再現しました。
フィギュアは固定されていないので、向きも自由に変えていただけますし、お持ちのフィギュアを向かい側に置いていただければ、モロボシ・ダンとのあのシーンを再現していただくこともできます。
あの名シーンを切り取ったB賞『メトロン星人 Revible Moment』
――ジオラマ部分の製作で苦労された部分はありますか?
チャンプ:当時の資料が全然なかったので、映像をキャプチャーしたものを見ながらもの作り、版元さまに何度もご確認いただきました。実は、畳にもこだわっていて、この空間を切り取ったときに矛盾しないような畳の並びかたやスケール感になるよう調整しています。自分でいろいろと調べて、一時期は少し畳に詳しくなっていました(笑)。
――C賞『湯飲み』では怪獣たちのシルエットが印刷されていますが、製作されるうえでどのような点に苦労されましたか?
チャンプ:イラストを湯飲みに落とし込むと細かい線がつぶれて、上手く再現できなくなってしまうんですよ。何度も試作品を確認して、キャラクターとして外せない部分をどう表現するか試行錯誤しました。
怪獣たちのシルエットが一面に印刷されたC賞『湯飲み』
怪獣図鑑の一コマを切り取ったようなアクリルスタンド
――D賞『クリアポスター』は全8種、各世代の怪獣たちが並んでいるものから特定の怪獣にフォーカスしたものなど、それぞれ印象が異なりますね。
チャンプ:クリアポスターではキャラクターを盛り盛りにしたものと、クールなもの、ポップなものなど、いろいろなバリエーションを用意しました。バルタン星人のデザインは一番手前にいるバルタン星人は透けなくて、分身してるものは透けるようになっているなど、クリアポスターならではの見えかたにも注目してほしいです。
ジャグラス・ジャグラーは、イラストレーターの「ケースワベ」さまにご依頼して、今回のために描きおろしていただきました。どのデザインも魅力的で飾り映えのあるA3サイズです。お気に入りのデザインをご自宅に飾っていただけると嬉しいです。
いろいろなバリエーションのD賞『クリアポスター』
――E賞『ACLLECT ウルトラマン ~ウルトラ怪獣編~』は怪獣たちのアクリルスタンドとなっていますが、こちらについてもポイントを伺えればと思います。
チャンプ:表裏印刷による立体感のある仕上がり、統一された規格による高いコレクション性で展開する新感覚のアクリルスタンド[ACLLECT]シリーズから、ウルトラ怪獣が登場します。
ウルトラ怪獣は身長・体重・出身地などが必ず設定されおり、各キャラクターのプロフィールをアクリルスタンドの下部にみっちりと詰め込んでいるので、読みものとしても楽しいかなと思います。
怪獣図鑑のようなE賞『ACLLECT ウルトラマン ~ウルトラ怪獣編~』
――F賞『怪獣頭鑑 ウルトラ怪獣 Vol.1』はいわゆるヘッドマグネットということで、怪獣たちの頭部を切り取ったデザインになっていますね。
チャンプ:ヘッドマグネットは一番くじ『ゴジラ』シリーズで大変好評をいただいている商材で、今回はウルトラ怪獣で展開いたします。バルタン星人の分身バージョンは、ほんのり透けるようになっているので、ほかのものとは違った印象を楽しんでいただけるかなと。これからも恐竜系や宇宙人系など、幅広いウルトラ怪獣をどんどん展開していきたいです。
怪獣たちの頭部を切り取ったF賞『怪獣頭鑑 ウルトラ怪獣 Vol.1』
いつかは今回のゴモラをきっかけに生まれた原型師との対談が……!?
――最後に、このインタビューを読まれているペリペリ団の皆さんへのメッセージをお願いします。
大山:ぜひ一番くじを買って、当てていただけたらうれしいです。個人的には、今回のようなフィギュアをきっかけにあなたも自分の作品を作ってほしい、という想いがあります。
僕自身、中学生のときに見た怪獣映画などをきっかけに造形をはじめたんです。この塊獣極致が10年くらい続いたときに、第1弾のゴモラを見て造形をはじめました、っていう人が新たな原型師として登場するインタビューを、僕は読みたいです(笑)。
――そのときはぜひ対談形式でお話を伺いたいですね! チャンプさんからもメッセージをお願いします。
チャンプ:ウルトラ怪獣だけの一番くじが遂に登場します! 新フィギュアブランド「塊獣極致」や集めて楽しい雑貨まで、自信をもって皆さんに喜んでいただける商品をご用意しました。今後も、シリーズ展開していきたいなと思っているのでご期待いただければと思います。
【関連リンク】
一番くじ ウルトラマンシリーズ 怪獣超大全 商品ページ
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投稿を表示3/19、何とかA賞の怪獣極致ゴモラGET出来ました!インタビュー記事の原型製作時のこだわりを拝見するのが今から楽しみです!
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投稿を表示魂豪示像のように、原型師さんのイメージを形にしたフィギュアを怪獣でもやってほしいとずっと思ってました。塊獣極致…最っ高です!!これを待ってました!!
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投稿を表示インタビューの内容、こだわりヒシヒシと伝わってきました。一番ぐじあたれば、幸いです。次回も期待します。
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投稿を表示ウルトラ怪獣にフォーカスした一番くじをつくろうという意気込みと商品へのこだわりをひしひしと感じる素晴らしいインタビュー記事でした。発売がいまから楽しみです☺️
怪獣ヘッドマグネットはぜひシリーズ化してほしいです❗️
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投稿を表示畳に詳しくなられたってところが面白かったです😂
ヘッドマグネット、今後の展開も期待しています😊