#01:【鬼滅の刃】“一番くじならでは”の商品を届けたい。「思い出の蝶屋敷」編の開発秘話
【鬼滅の刃】“一番くじならでは”の商品を届けたい。「思い出の蝶屋敷」編の開発秘話
アニメやゲーム、各種グッズなど幅広く展開する『鬼滅の刃』。2024年2月からは『「鬼滅の刃」絆の奇跡、そして柱稽古へ』のワールドツアーも始まっています。この度、本作の新たな一番くじ「鬼滅の刃 ~思い出の蝶屋敷~」が同月より販売決定。今回は、「一番くじ 鬼滅の刃」の企画を担当する2名にインタビューを行い、開発の裏側に迫ります。
プロフィール
2010年入社。アパレルやフィギュア・ハイターゲット向け玩具などを扱う部署を経て、現在はロト・イノベーション事業部で『鬼滅の刃』の一番くじの企画を担当。過去に企画を担当したのは「無限列車編」「遊郭編」「刀鍛冶の里編」など。 | 2007年入社。ゲームセンターの景品を扱う部署でフィギュアの企画開発担当を経て、ロト・イノベーション事業部に異動。トマトさんとともに「刀鍛冶の里編」から『鬼滅の刃』を担当し、2024年2月10日(土)より好評販売中の「鬼滅の刃 ~思い出の蝶屋敷~」を担当。 |
4年間で20回以上の商品をリリースしてきた『鬼滅の刃』一番くじ
――『鬼滅の刃』の一番くじはいつ頃からはじまったのでしょうか?
トマト:最初は2019年8月です。テレビアニメ第1期『「鬼滅の刃」竈門炭治郎 立志編』が、放送されていたタイミングでの発売となりました。ファンの方からの人気も根強い作品だったので、そこから現在まで、約20タイトルの商品を発売させていただきましたね。
――これまでリリースされてきたなかで、印象的だった商品は何ですか?
トマト:どれもすごく思い出深いのですが、それまでに立体化したことのないキャラクターのフィギュアなどは、未知のものを開拓していく楽しさもあって印象的になるかなと思います。
遊郭編をテーマにしたときに妓夫太郎のフィギュアを作ったんですけど、妓夫太郎の折れそうな身体や飛び血鎌のデザインを考えるのは楽しかったです。量産できる商品としてどこまで形状を保てるかなど、鬼側の新しいキャラクターは苦労もありますが、特に楽しんで作っていました。
カレーライス:印象的だったのは、2023年の10月の『一番くじ 鬼滅の刃 ~ふめつのきずな~』というくじです。「兄妹・兄弟」をテーマにして炭治郎と禰⾖⼦、煉獄杏寿郎と千寿郎、時透有⼀郎と無⼀郎という風に幼少期の兄妹、兄弟のフィギュアをセットにしたんです。
それまでの『鬼滅の刃』の一番くじでは描き切れていなかった「絆」の部分を描いて、表現したかったんです。これはなかなかにチャレンジングな企画でしたが、実現できてよかったなと思っています。
――ちなみに、お二人は『鬼滅の刃』という作品のどのような部分に魅力を感じていますか?
トマト:王道な答えにはなってしまいますが、やっぱり炭治郎がひたむきで一生懸命なところですね。一生懸命さには、胸が熱くなります。
カレーライス:個人的には、成長物語のような側面と人物の背景描写が好きですね。戦いの中で人間らしさや家族の絆などが人だけではなく鬼についても丁寧に描かれているところが魅力かなと思います。そういう部分があるからこそ、これだけ多くの人の心に響く作品になっているのかな、と。
『一番くじ 鬼滅の刃 ~思い出の蝶屋敷~』各賞に込められたこだわり
――ここからは2024年2月10日(土)より好評販売中の『一番くじ 鬼滅の刃 ~思い出の蝶屋敷~』に登場する各商品についてお話を伺っていきたいと思います。まずはA賞、『胡蝶しのぶ&栗花落カナヲ フィギュア』について、こだわったポイントを教えてください。
カレーライス:回想シーンに出てくる過去のしのぶさんは厳しい表情をされていることが多いのですが、この場面をフィギュアにした時にそういった表情にするのはどうだろうと思ったんです。ここは版権元様と相談を重ねて、今の優しそうなお顔にさせていただきました。
――このフィギュアは2人で1セットなのも特徴的ですね。
カレーライス:やっぱり作品ファンの気持ちを考えると、同時に手に入るほうが嬉しいかな、と。
――たしかにそうですね。一方、B賞の『胡蝶カナエ フィギュア』はA賞のふたりを優しく見守るようなイメージとなっていますが、こちらの注目ポイントとなるのはどのような部分でしょうか。
カレーライス:そもそもカナエさんのフィギュアというものがあまり世の中に出ていなかったので、一番くじならではのフィギュアとして出したい、というのは考えていました。劇中のイメージを崩さないように、ポーズや表情など、細かいところまで気を使って作らせていただいています。特に、カナエさんは目がすごくキラキラしているところが印象的だと思うんですよね。そこについても忠実に再現できるよう、気を配りました。
――C賞は『すみ&きよ&なほ ちょこのっこフィギュアセット』ですが、蝶屋敷の3人娘がちょこのっこと非常によくマッチしていますね。
カレーライス:3人娘は作中で活躍しているにも関わらず、これまであまり一番くじで商品化されていなかったんです。今回、蝶屋敷をテーマにするにあたって、絶対にこの3人は揃えて出してあげたいなと思っていました。3人が着けている蝶々の髪飾りは蝶屋敷メンバーの大切なアイテムなので、小さなフィギュアではありますがしっかりと作り込んでいます。
ペリペリ団の皆さまからの質問にもお答え!①
Q:くじでは漫画の何気ないワンシーンがフィギュア化されることもあります。やはり担当者の方はもともと原作ファンなのですか? |
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A:作品のことが好きなのはもちろんです。ただ、シーンやキャラクターの選定については単に自分の好きな部分を軸にするのではなく、お客さまは何が欲しいかを最優先に考えて決めています。 |
――D賞の『胡蝶しのぶのガラス瓶セット』は今回のくじでもユニークなアイテムですが、こちらはどういった経緯で制作されたのでしょうか。
カレーライス:一番くじならではの、「世界観を表現できるアイテム」みたいなものをひとつでも入れたい、と毎回考えているんです。今回はしのぶさんを連想できるものにしたいなと思って、こちらのガラス瓶を提案させていただきました。デザイン面でもこだわっていて、しのぶさんや藤の花の色味をイメージしたグラデーション塗装や、金色のプリント表現など、是非実物を見ていただけたらなと思っています。
――E賞の『みててねアクリッツマスコット』は淡い色使いが素敵ですが、こちらについてもこだわりのポイントを教えてください。
カレーライス:今回はこれまでのちょこのっことは違った、水彩調の優しい色使いにさせていただいています。デスクまわりなどに置いて、ふと見たときにほっこりできるように、頬杖をついたかわいらしいデザインにしています。また単体でも自立可能なアクリッツシリーズですので狭い空間にも飾りやすい仕様になっています。是非お気に入りのキャラクターを集めていただけたら嬉しいです。
――F賞の『絵皿』は各キャラクターのモチーフがデザインされていて、普段使いもしやすそうですね。
カレーライス:実は私も一番くじの実用雑貨をよく使っているんです。なので、使いやすいモチーフ系のデザインにしつつ、キャラクターへの愛も忘れないデザインを心がけました。炭治郎には厄徐の面と煉獄さんの鍔、禰豆子ちゃんなら好物の金平糖が、煉獄さんには千寿郎くんの鍔が、宇髄さんのお皿にはムキムキねずみが、といった風によくよく見るとファンの方にはアツいデザインになっているかなと思います。
――15種類ものバリエーションがあるG賞の『ミニビジュアルシート』では、各キャラクターの背景に劇中でのシーンが散りばめられたデザインになっていますね。
カレーライス:こちらは一番こだわりが詰まったデザインかもしれません。デザイナーさんと試行錯誤を重ねて、『鬼滅の刃』らしさと格好良さ、そして情緒的なストーリーの文脈、この3つを表現できるよう、奮闘させていただきました。どのシーンをどこに入れたらキャラクターが映えるのか、キャラクターが好きな人に響くのか、アニメを何度も見直したりして背景の場面についても選出させていただきました。背景の場面を見て、キャラクターたちの辿ってきた物語を思い出していただけたら嬉しいですね。
今回のくじは蝶屋敷をテーマとしていますが、それ以外のキャラクターが好きな方にも、くじに挑戦して楽しんでいただけるように、キャラクターラインナップ豊かな等賞も毎回入れられるよう心がけています。
――ラストワン賞の『胡蝶しのぶ&栗花落カナヲ フィギュア ラストワンver.』は、手にとまった蝶を見つめるカナヲと、それを微笑みながら見守るしのぶという、A賞とは少し印象のことなるかたちになっていますね。
カレーライス:こちらで特にこだわったのは、しのぶさんの笑顔です。劇中にカナエさんのセリフで、「姉さんはしのぶの笑った顔が好きだなあ」というものがあるんですよ。きっとカナヲちゃんと暮らす中で、優しい表情を見せる時もあっただろうなと思って、ラストワン賞では笑顔にさせていただきました。
ここは本当に、許諾してくださった版権元様にただただ感謝ですね。時系列的なところで言うと、A賞の後、少しずつカナヲちゃんが蝶屋敷での生活に慣れてきて、微笑むことができるようになった頃、というイメージです。
――今回のくじでは、蝶屋敷の3人娘を演じる早見沙織さん、上田麗奈さん、茅野愛衣さんによる商品紹介PVも公開されていますね。
カレーライス:こちらのPVは御三方のおかげで本当に尊い仕上がりの動画になっているので、是非ご覧いただければと思います。
ペリペリ団の皆さまからの質問にもお答え!②
Q:一番くじ倶楽部のアンケート結果の反映の仕方を教えてください! |
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A:お客さまからいただいたアンケートは、本当にしっかりと見ています。発売したくじへのコメントやアンケートの内容は、企画担当が吸い上げて、営業、生産などのメンバーにも共有し、商品開発に活かしています。本当にたくさんのメッセージをいただいているので、そこに最大限応えさせていただこうと日々努力しています。これからも回答頂けますと幸いです! |
“群”でアイテムを見せられるのが一番くじの強み
――『鬼滅の刃』の商品を制作するうえで、再現がむずかしいのはどんな部分でしょうか。
トマト:フィギュアで言うと、羽織などに華やかなデザインが入っているキャラクターが多いので、作り甲斐がある反面、柄を忠実に再現する部分では毎回試行錯誤があります。工場で、曲面にどう細かいデザインを入れ込むか、みたいな部分を考えつつ原型を作らないといけないので、そこは難易度の高い部分ですね。
たとえば過去に出したしのぶさんのフィギュアだと、羽織が一見白いんですけど、実はうっすらとグレーのグラデーションが入っているんです。本当に見えるか見えないかくらいの微妙な色合いなのですが、そういった部分も工場と協力して、出来るだけ再現できるように日々努力しております。
――今回の『胡蝶しのぶのガラス瓶セット』のように、単体で商品化するのがむずかしそうなアイテムも一番くじであれば展開しやすい、といった面もあるのでしょうか。
カレーライス:一番くじは、「群でアイテムを展開している」というのが特徴です。そのため、他の業態では出しづらい、世界観雑貨など、ファンの方が喜んでくださるようなアイテムを入れていくことができます。ここは一番くじの大切な強みと考えています。
――最後に、このインタビューを読まれているペリペリ団の皆さんへメッセージをお願いします。
カレーライス:一番くじを好きでいてくださっていて、本当にありがとうございます。皆さんのように応援してくださる方がいるからこそ、私たちも気を抜かずに日々精進していくことができます。これからも是非、ペリペリしていただけたらありがたいです。
トマト:まずは本当に、日ごろから一番くじをご購入いただきありがとうございます。『鬼滅の刃』はワールドツアーも始まって、一番くじも発売してということで、楽しいことが山盛りのタイミングかと思います。是非、作品とともに一番くじも楽しんでいただき、皆さんの日々のエネルギーにしていただけたらうれしいです。これからもよろしくお願いします。
※禰豆子の「禰」は「ネ+爾」が正しい表記となります。
※煉獄杏寿郎の”煉”の漢字は「火」に「東」が正しい表記となります。